2017年4月27日付株式会社オリエンタルランドが決算に関しての資料を配信しました。
決算の概要を今回はご紹介します。
3000万人の入場者数は確保、売上高・営業利益はともに当初の見込みよりもアップで配当も年間で40円配当というよいニュースになりました。
2017年3月期決算説明会及び2020中期経営計画説明会
日本経済新聞の記事を元に概要を記します。
2017年3月期は好成績
全て前期比です。
- 純利益11%増の823億円
- 売上高3%増の4777億円
- 営業利益5%増の1131億円
数字が想像以上に良かった理由としてチケット価格の値上げと東京ディズニーシー15周年アニバーサリーイベントとそれに伴うグッズ収入が良かった点を挙げております。
反面、決算短信には「ディズニー・ハロウィーン」における「ヴィランズワールド」の2年目が失敗に終わったことを明記しております。
エンターテイメントの不振が足を引っ張った要因として書かれていることに驚きを隠せませんが、そういう判断であったということであれば、今後はエンターテイメントにより一層の力を入れるという見解でよいのかと考えました。
2020年に向けた中期経営計画のレビュー
率直に言って目新しい感想はありませんでした。
ただし、対ゲスト対策は混雑緩和、対株主には入園者数と営業キャッシュフローは過去最高を目指すというコミットメントが書かれております。
また「モバイルを駆使したショッピング」も検討するようです。
通販なのかどうか分かりかねますが、昨今大きな話題になっている転売対策になるのかもしれません。
アトラクションの進捗状況
ピクチャーを観ると順調に推移しそうです。
東京ディズニーランド開園35周年のデイパレードは24億円程度の予算を見込んだものになります。
ハピネス・イズ・ヒアが20億切っていた記憶があるので、かなり力を入れに来ているのではないかと推察します。
大規模投資プロジェクトは美女と野獣エリア(仮称)になります。
そして新作のディズニー映画とタイムリーに連動する企画を今以上に注力する記載もあります。
今夏、映画『パイレーツ・オブ・カビリアン』の新作が公開されるにつき、東京ディズニーシーでは映画公開にあわせた夏のイベントが開催されますのでこういうものが増えるということでしょう。
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20170413 OLCプレスリリース 夏の東京ディズニーリゾート® &夏5パスポート
株式会社オリエンタルランドが2017年4月13日に配信したプレスリリースになります。 夏の東京ディズニーリゾートの話題です。 東京ディズニーランドは「燦水(さんすい)!サマービート」東京ディズニーシー ...
良い試みだと思います。
2018年3月期は対前年比で減収減益の見込
既にスタートしている新年度については減収減益の予測を立てています。
- 売上高は2%減の4693億円
- 営業利益は11%減の1001億円
- 入場者数は2950万人と前期より2%減少する見通し
人件費や労務管理費の上昇も減収減益になる要因の1つにあるようです。
人手不足は東京ディズニーリゾートでも深刻化しており、人材確保に向けてさらなる努力が必要と感じており、地方拠点で採用説明会を開催するなどの努力を継続的に続けていくようです。
減収減益予測の根拠は下記の通りです。
- 東京ディズニーシー開園15周年のアニバーサリーイベント終了
- 施設の改装による入園者数の減少
- 入園料の引き上げ効果がなくなる
いずれにしても中期経営計画達成に向けて、今期は谷の時期になるようです。
混雑緩和は経営課題に
日経MJでも書かれていましたTDRの混雑問題、この混雑緩和がなされないとやはり顧客満足度に大きな影響を及ぼす事になります。
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東京ディズニーリゾートの顧客満足度が大幅下落、11位→27位に
経営的に厳しい結果が突きつけられたと捉えてもよいのかもしれません。 公益財団法人日本生産性本部・サービス産業生産性協議会が発表した2016度JCSI(日本版顧客満足度指数)年間発表があり、2015年度 ...
アトラクションの増設・増強に加えて、レストラン施設を増やすことも経営課題として真摯に取り組む姿勢をみせております。
テーマパーク事業における飲食の売上が若干落ちていますが、プライオリティシーティングの告知も今以上に取り組むべき課題だと思います。
TDL35周年関連の話題はなし
翌年に控えた東京ディズニーランド35周年イベント"Happiest Celebration"の詳細が今回は出てきませんでした。
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東京ディズニーリゾート® 35 周年“Happiest Celebration!” 開催のお知らせ 20170418 OLC プレスリリース
2017年4月18日株式会社オリエンタルランド配信のプレスリリースをご紹介します。 35周年を2018年に迎える東京ディズニーランド。 今回のプレスリリースでその概要が発表されました。 35周年記念イ ...
今後のリリースに期待するしかないです。
2017年3月期決算資料一覧
下記にリンクしました。ご参照下さい。
- 平成29年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2017年3月期 決算補足資料
- オリエンタルランドグループ「2020 中期経営計画」について
- 2017年3月期決算説明会及び2020中期経営計画説明会
- 剰余金の配当に関するお知らせ
- 自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)
なお、配当も今期から年間で40円配当になるそうです。
自己株式の取得が進む状況というのはイコール株主重視の経営姿勢を打ち出してきた株式会社オリエンタルランドの経営姿勢が高く評価されてしかるべき箇所であると考えます。
様々な課題を抱えつつも決算内容は決して悪いものではありません。
明日以降の株価、そして今後の事業運営に注目しましょう。