新型コロナウイルスの影響により、再開園まで見通しの利かない状況が続く、東京ディズニーリゾート。
気がつけば、すでに6月で春のイベント、ディズニー・イースターもパーク内のオーナメントが撤収されるなど、本来やっているべきシーズンイベントもやることなく、次のシーズンイベントに向けての準備が始まるなど、大変残念で、そして異様な状態が続きます。
USJが既に再開してますが、クラスター感染源にならないよう、配慮がなされているという事ですが、USJもTDRも人の密集が避けられない環境で、いかにしてコロナから身を守るべきなのか、その対応が注目される中、今回、筆者はひとつの推察をしてみたく考えます。
とても快適だった年間パスポート保有者除外日
2018年より施行的に年間パスポート保有者が入園できない日が存在しました。
過去に筆者は年間パスポート保有者が除外される日に東京ディズニーリゾートを2つ訪れたことがあります。
土日にもかかわらず、人はそれなりに多いものの、年間パスポート保有者もいる土日とは異なり、お手洗いも混雑の列が少なく、レストランにもすんなり入ることが出来ました。
アトラクションも、トイストーリー・マニアのような本当に混雑するアトラクションも遅い時間帯のファストパスが獲得できるなど、思いの外多くの体験が出来て、満足して帰路についた記憶があります。
ブロードウェイ・ミュージカル・シアターで開催される人気のエンターテインメント『ビッグバンドビート』は、とても静かに盛り上がったのがとても印象的でした。
普段から熱心に通う年間パスポート保有者の熱烈な拍手に合いの手がないと、どこかの地方の文化会館で開催されるあまり客の入らないコンサートみたいな、そんな印象しかありませんでした。
一説には10万人の年間パスポート保有者がいるとも言われているTDRですが、決して高くはない、約10万円の年間パスポート代を支払ってまでも熱心に通う方々の支えでパークの盛り上がりは支えられていたのかと改めて思い知った次第です。
ただし、その熱心さ故に過去には『チームアーリー』なる開園ダッシュにより、誰よりも少しでも早く良い位置でエンターテイメントを鑑賞したいという、決して看過されるべきではない輩を生み出すなど、モンスターと化したゲストを生み出してしまった事もまた事実です。
90%以上がワンデーパスポートでの入園者。
それこそ、1年に1度来るか来ないか、という層が圧倒的多数を占めるTDR。
運営会社でもある株式会社オリエンタルランドもそこをよくわかった上で様々な施策を打ち出しています。
少なくとも筆者が感じるのは、1年に1度来るか来ないか、という層をあともう1回は来てもらえないか、という考えに基づいた誘客の流れ、そして3世代での来園。
2つとも、宿泊を前提で遊びに来て欲しいという願いのこもった誘客活動の流れとなります。
こうした方々を毎日の来園者の90%以上、もしかすると99%以上まで引き上げたいのがオリエンタルランドの強い希望なのかもしれせん。
特に、アフターコロナ以降、海外渡航はコロナ感染のリスクと捉えて国内で小旅行を楽しもうという家族が出てくる事も決して不思議ではありません。
年に1回、または人生のハレの日としての来園を希望される方にパークが埋め尽くされたい、そんな感じすら抱きます。
ただし、年に1回が複数年に1回となるケースと全く想像出来なくはありません。
それは、パークチケットが大幅な値上げをすれば、また話しは大きく変わると思います。
ワンデーパスポート代が20,000円代になる日
もともと人であぶれかえり、密集していたTDR。
コロナ対策では、ソーシャルディスタンス。
東京都知事の小池氏が言うような3つの"密"を避けるため、コロナのクラスター感染を防ぐためにもTDRはゲスト、そしてキャストのために出来る限りスペースを確保しないといけない環境を作ることがとても大切になると考えます。
密集するからこそ、一気に伝染する。
コロナに限らずインフルエンザでも同じことが言えます。
ただし、人類が未だかつて遭遇したことのない疫病に今は多くの人が恐れ慄き、また残念なことに命を失っております。
ゲスト・キャストの安全を第一に考えると、入園者の制限は避けられないと思います。
その代わりに客単価を上げることで収益の確保だけでなく、人の少なさを逆手に取った体験価値の向上が果たせるような、そんな施策に打って出るのではないかと考えます。
海外のディズニーリゾートはワンデーパスポートも日本円にして15,000円以上すると聞きます。
今のTDRは8,200円。
まだまだ値上げ出来る余地はあります。
年に複数回来る人からすると、これ以上の値上がりは全く容認できないものなのでしょうが、これからの時代の公衆衛生を考えると、大幅な値上げは不可避と考えます。
もしかすると、1日空いているパークで快適に遊べることと引き換えにワンデーパスポート20,000円代、1泊2日ならば30,000円代で両パークに遊びに行けるパスポートを買えるなどのメリットを打ち出した売り方をすることも想定できます。
年に1回が複数年に1回になるかもしれない。
しかし、来てもらったからには存分に遊んで満足して帰って貰いたいという考えのもとパーク運営がなされるのではないかと予測します。
抽選による入園予約も今後は必須に
もうひとつ、好きな時に来園してもらうのでは、安全で快適なパークの運営はなかなか難しいものになります。
本来ならば、誰もが好きな時に来て、思い思いの時間を過ごすべき場所なのでしょうが、安全を第一に考えるそうも行かなくなると考えます。
今後はまず、入園したい日を抽選で決め、当選した方には来園したい日に入園出来る権利を販売する。
宿泊も、長期滞在の方には申し訳ですが、最長で3泊4日とする。これで30万とか払ってでも来たい人はいるでしょうから、宿泊プランもいくつかバリエーションを持たせて販売すれば、今のバケーションパッケージ並み、もしくはそれ以上の人気で在庫も売れるでしょう。
こうなると、年間パスポートは不要になります。
毎週のように熱心にパークに足を運んでいたゲストには生きがいがなくなり、またブロガーやユーチューバー、果てはテンバイヤーも稼ぎ口をなくしてしまうかもしれませんが、これもまた時代の流れ、やむを得ないものと考えます。
再開園はいつ?
さて、気になる再開園の日はいつか。
一説には6/15(MON)とされてます。
私の予想ではその日であってもなくても、全く構わない、と言うのが本音です。安全が確保された状態で開くならばそれが一番です。
しかし、残念ながら、第2波の到来とともにパークはまたクローズすると考えます。
サンリオピューロランドのような全天候型の環境ではなく、強い海風に台風の激しい雨にもさらされる舞浜の地ですから、少しでも異変があったと感じたら即座にクローズするのではないかと推察します。
昔を懐かしみ、新しい生活様式として、変化を受け入れる
最後になりますが、今までは気軽に行きたい時に行けたTDRですが、未だかつて遭遇したことのないコロナウイルスのため、私たちは今までの生活様式全てを見直さなくてはいけなくなりました。
それは娯楽もそう。
YouTubeもですが、NetflixやHulu、Amazon Primeといった動画配信サービスのニーズが増え、Stay Homeの状態でも楽しく過ごせる人が増えたと感じます。
テレワークも本格化する中、私たちは外に出て何かをする機会が減る、または減るしかない状態で日々暮らすしかなくなりつつある現実を受け入れなくてはなりません。
そうなった時、TDRに行くと言う事も住まいの地域によっては、年に1回が10年に1回、もしかすると一生涯に1回になってしまうこともあり得なくはない、そんな時代になってくると考えられます。
今までの人生、ディズニーだけが趣味の方は、他に楽しいことを見つける良い機会ではないでしょうか。
ゲームでも、映画でも、なんでもいいでしょう。
知らない世界を知る喜びをコロナによってもたらされた望外の幸せだとするならば、これを機会に変化を受け入れ、前向きに違う世界を覗いてみてはいかがでしょうか。