先日NHKにて東京ディズニーリゾートに関する話題が放映されました。
内容は東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドが現在取り組む顧客満足度向上の舞台裏。
報道番組の中で取り上げられた異例のトピックスですが、公共放送で取り上げられた意味もよく考えないといけないと感じるトピックスでもあります。
NHKが報じた東京ディズニーリゾート"満足度向上"を図る改革の舞台裏
NHKニュース・報道特集特集ダイジェストまとめというもので文字データとして放送された内容が全て出されております。
【あのテーマパークに異変!】常にトップを争ってきた「顧客満足度」の順位を、昨年度大きく下げた「東京ディズニーリゾート」。待ち時間の短縮やシニア層も取り込む改革の現場に初めてカメラが入りました。詳しい内容を【テキスト】で読めます!https://t.co/mADoaubAer
— NHK「クローズアップ現代+」公式 (@nhk_kurogen) 2016年9月2日
簡単に要点をまとめます。
- 民間会社が調査する顧客満足度調査で東京ディズニーリゾートが2015年は11位に大幅ランクダウン
- TOP3の常連だったため、この1年での大幅下落にNHKが密着
- USJや上海ディズニーランドの競合対策プラス国内の個人消費の低迷も経営の課題に
- 混雑緩和の解消のため、来園者アンケートを取り、定期的に戦略会議を設定し、課題を検討
- アトラクション待ち時間が異様に長いことが顧客満足度の大幅な低下に
- 顧客動線を変更したり人員配置を変えるなど、数秒単位での効率化改善に取り組む
- 少子高齢化をにらみ、シニア層を新しいターゲットに→3世代ディズニーに着目
- 泊りがけで来た家族層が消費する金額を試算し、かけた金額以上の満足度を向上させるためにパート社員が真剣に検討
- 2020年までに2,000億を投資してテーマパークの新しい魅力を再開発する
「いつ来ても混んでいる」「どこに行っても並んでいる」というのは当然ですが、顧客満足度を上げる上では大きな足かせになります。
この課題解消のために会社一丸となって取り組むという話しでした。
顧客満足度向上に向けてどういう対策をとるべきなのか
1人のカスタマー視点ですが、現状の取り組みは正しい取り組みなのでより積極的に推進して欲しいという考えがあります。
また、今後も1デーパスポートを含めたチケット価格の値上げもあるでしょう。
入場者数は減りますが、客単価を上げて利益の向上に努める事になると思います。
ただ本当に1番大きいのはやはり人員確保ではないでしょうか。
今は全ての業種で人員の確保が難しい時代と聞きます。
また最低賃金も上昇しますし、労働者側からすると有利な条件の就労先から順次埋まっていく傾向にあります。
ピーク時にレジをフルで開けることの出来ないくらい人手が足りない状況はやはり見過ごせない課題だと思います。
サービス業ですし、お客自体わがままを言う人も多いので決して楽な環境ではないのでしょうが、報われずに辞めていく人も後を絶たない状況だと伺います。
ある程度の人材の出入りは致し方無いでしょうが、顧客満足度向上のためには現状スタッフの待遇改善も含め従業員満足度もしっかりと捉えておかねばいけない、そんな時代ではないかと考えます。
大変な企業努力のもとで成り立つテーマパーク運営、常に矢面に立つキャストさんをはじめ全ての方が報われるそんなテーマパークであってほしいと感じるばかりです。
さて、今回は公共放送であるNHKが取り上げましたが、上場企業でもある株式会社オリエンタルランド。
公益性の云々は率直に言ってどうなのかと感じるものですが、近年は優秀なPR会社もありますので、上手に企画を持ち込んで番組を作るサイドと上手にやったという印象が拭えません。
しかし、多くの方に愛されるテーマパークの話題でもあるので、NHKが取り上げることに不自然さは余り感じないものの昨今代表取締役が積極的にメディアに出る事もあり、相当な危機感を持っているということには間違いがないようです。
明日で15周年を迎える東京ディズニーシー。
課題が多いまま、本当の意味での「Set on sail」となったようです。