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労働問題 東京ディズニーリゾート 株式会社オリエンタルランド

TDRのキャストパワハラ訴訟、オリエンタルランドに88万円の賠償命令

かねてより注目をしておりました、キャストへの暴言を含めたパワーハラスメント訴訟について、千葉地裁は2022年3月29日、被告人となる株式会社オリエンタルランドに対し、88万円の損害賠償金を原告に支払う旨、判決を下しました。

3年8カ月にわたる裁判、長い戦いでしたが、1つの答えが出ました。

これに対し、株式会社オリエンタルランドでは、「判決内容を精査した上で今後の対応を検討」とのコメントを残しております。

TDRのキャストパワハラ訴訟、オリエンタルランドに88万円の賠償命令

もうお一方の裁判がまだ続きますが、簡単に下記おさらいとなります。

訴えを起こしたのは、テーマパーク内のショーやパフォーマンス出演が職務の20代女性Aさんと、同じく30代の女性Bさん。

Aさんは2015年2月、時給1100円の契約社員として、Bさんは2008年4月、時給1630円の契約社員として雇用された。

Aさんは着ぐるみを着用し、一回あたり30分~45分のショーや、来場客と記念撮影や握手をするグリーティングを一日数回行っていた。

2016年12月の記録では、30分のグリーティングの後10分休憩し、すぐ別のグリーティングのために着ぐるみを着用するという繰り返しを7回行っていた。

東京ディズニーランドは立地上、強風や小雨の中で演技する日も多い。

雨を吸って重くなった着ぐるみを着ての演技は通常時よりも負担が大きかった。

女性は昨年8月、これらの職務により「胸郭出口症候群」を発症したとして船橋労働基準監督署に労災認定されている。

引用元:キャリコネニュース 『「ゲストの夢を守るため、訴訟は躊躇した」東京ディズニーランドのパワハラ訴訟開始 原告側は「会社に誠意が見られない」と怒り』

もう一人の原告である30代女性は、2013年1月、来場客から故意に右手薬指を反対側に折られ負傷し労災申請をしようとしていた時、所属グループの上司から労災申請への協力を拒絶された。

「エンターなんだからそれ位我慢しなきゃ」「君は心が弱い」とも言われたという。

職場で喘息を打ち明けた際には「病気なのか、それなら死んじまえ」、「30歳以上のババアはいらない」などの言葉をかけられるなど、上司を含む従業員12人からパワハラを受けていたと主張している。

引用元:キャリコネニュース 『「ゲストの夢を守るため、訴訟は躊躇した」東京ディズニーランドのパワハラ訴訟開始 原告側は「会社に誠意が見られない」と怒り』
OLCプレスリリース 20181113 当社が提訴されている訴訟について

2019/1/2  

株式会社オリエンタルランドは2018年11月13日にプレスリリースでパワーハラスメントによる訴訟を起こされ、その件で異例のコメントを提示しました。 夢と魔法の王国の裏側で行われているひどい実態に閉口す ...

OLC元キャストのパワハラ裁判の証人尋問が3/23から千葉地裁で開始

2021/3/26  

2018年11月に元従業員からパワーハラスメントに関する件で株式会社オリエンタルランドは民事訴訟を起こされていましたが、2年半にわたる弁論準備期間を経て2021年3月23日から証人尋問がスタートとなっ ...

昭和のコンプライアンス意識を未だ引きずったままのレガシー企業、OLCはどう改善していくのか

下記は判決を受けての原告の女性のコメントとなります。

「今も昔もディズニーが好きで、裁判が終わった今も、ディズニーというコンテンツを愛しています。今後自分と同じように憧れて入社してくる方々が、自分を同じ目に合わず安心して働くことのできる、本当に従業員にとっても『夢と魔法の王国』と自信を持って言えるような環境になってほしいです」

ディズニーランドのキャストパワハラ訴訟、オリエンタルランドに88万円の賠償命令 - 弁護士ドットコム

ちなみに株式会社オリエンタルランドのホームページ内に「人財に関する基本的な考え方」という項目があります。

ここを読むと、

  • OLCグループにとって人財とは、テーマパーク事業の価値を創出していくうえでハードへの投資と同様に不可欠なもの
  • 「安心、楽しさ、働きがい」の向上
  • 従業員一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境づくり、そして効率的に働くための環境づくりを推進するために、「育成支援」「効率化支援」「制度・ルールの見直し」「安心安全な環境づくり」と、テーマごとに支援
  • 国際規範に則り、団体交渉権をはじめとする労働基本権を尊重

と書いてありますが、「安全」に関しては残念ながらまだまだ現在のコンプライアンスに厳しい時代の意識が追いついていないようです。

上のリンクは読むほどに失笑を禁じ得ません。

今回の判決において、当社の主張が一部認められなかったことは誠に遺憾であり、判決内容を精査した上で今後の対応を検討してまいります。

なお、原告が主張するパワーハラスメントに該当する発言は認められませんでした。

と、判決後のプレスリリースに記載がありますが、そもそも安全配慮義務違反により88万円の損害賠償金を払うように言われている=パワーハラスメント相当と捉えてられても致し方あるまいと考えますが、経営陣にはあまりその意識がないようです。

全ての日本企業で人材確保が悩ましい中、労働環境の改善を中心に、いかに従業員のエンゲージメントを高めていくかということに気を配る会社が多い中、まだまだ株式会社オリエンタルランドは、井の中の蛙のような発言と態度、行動に出ているようにしか思えず大変に残念に思います。

またこういう会社が世界でも有数のテーマパークを運営しているのかと思うと、投資価値自体もブレてしまう方が出てくるのではないでしょうか。

苦言を呈しているのは、やはり多くの方に愛されているテーマパークであるからです。多くの方の夢や希望を受け止める場所でハラスメントがあって良いことなどないからこそ、厳しいことを言わせていただいております。

トイストーリーホテルの開業など、明るい話題もある中、それで今回の問題をうまくカモフラージュしたい考えもゼロではないのでしょうが、人材が宝だと本気で考えているならば、大きな課題として真正面から解決にあたるべきです。

具体的には第3者委員会の設置と外資系企業でコンプライアンスに関しての専門的な業務にあたった人を採用するなどの大幅なテコ入れが必要かと考えます。

自分のような私人1人が何を言ってもOLCには響かないでしょうが、今回の判決を機に、より多くのキャストさんが働きやすい環境になってくれることを祈るばかりであります。

ディズニーキャストざわざわ日記――〝夢の国″にも☓☓☓☓ご指示のとおり掃除します

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