公益財団法人日本生産性本部・サービス産業生産性協議会が発表した2017度JCSI(日本版顧客満足度指数)年間発表があり、2016年度26位だった順位が2017年度はついに36位まで落ちる結果になりました。
顧客満足度=ハピネスを追求する姿勢を見せる株式会社オリエンタルランドですが、35周年のアニバーサリーを迎える前に大変に厳しい現実をまた突きつけられる格好になりました。
参考までに、昨年書いた記事はこちらになります。
・ 東京ディズニーリゾートの顧客満足度が大幅下落、11位→27位に
もう、夢と魔法の王国をオペレーションする力すらないのではないかと感じてしまう調査結果となっております。
TDRの止まらない顧客満足度の大幅下落
今回は「2017度JCSI(日本版顧客満足度指数)年間発表」より引用を行っております。
さて、同列に並ぶ企業群を観ると、膝をがっくりついてしまいそうです。
地に落ちるホスピタリティの王様。過去に体感した感動は全て嘘だったのでしょうか。
一歩間違えると経営責任を問われても仕方がない結果になってしまいました。
同じエンターテイメントである宝塚歌劇団や劇団四季に大幅な差をつけられているだけではなく、ゲストへのホスピタリティが大きなセールスポイントの会社であるのに、さしたるホスピタリティを求められていないはずの大手の家電量販店やファストフードショップにまで勝てていないという事実が実に悲しいデータとなっております。
期待感はあるが、クオリティに対する評価はなし
東京ディズニーリゾートというブランド名は流石に浸透しており、期待感が高いことがデータでは伺えますが、実際にサービスを利用してみたとき、その評価となると上位10位にも入らない、かなりシビア結果になっております。
期待感を下回ったという意味でしょうが、それ以上に「何も印象に残らなかった」可能性もありえます。
感動産業が、これでは目も当てられません。
顧客満足とロイヤリティーが"圏外"TDR
調査結果をくまなく確認すると「他者への推奨意向」はあるものの、自身の満足度とまた行きたいと思う感覚が調査結果では"圏外"となってしまっております。
90%以上のゲストがリピーターであることを考えると、また行きたいと思わせるものがないという読み方も出来ますので、TDRはかなり重たい課題を抱える格好となっております。
「失望に関する経験」が
調査結果内では「失望に関する経験」という項目があります。
ここに出てくる上位20社は「失望しない順番」で並んでいますが、ここも圏外です。
いうなれば失望する順番だけを上位表示させたら、確実にTDRは出てきてしまうという可能性を帯びた結果となっております。
何を観て、何を感じて失望を覚えたのかは気になるところですが、確実に来園したゲストは想像を超える「失望」を抱いてパークを去るという結果であると考えても差し支えはないと考えます。
顧客満足度の高さはホテル>パーク
「顧客満足が業種中央値を上回った企業・ブランド」の最上位にディズニーホテル群が名前を連ねています。
これは大変に素晴らしい結果ですが、肝心要のパークが業種中央値を下回っているという現実。
評価の厳しさは我々のようなマニアだけでなく、株式会社オリエンタルランドの経営陣にとっても想像を超えるものだと思います。
2020年のありたい姿で挽回できる可能性はあるのでしょうか。
価格・混雑・園内マナーは解決されない永遠の課題
景気は決して悪くはありませんが、やはり入園料金やグッズ・フードなどを考えると決して安いものではありません。
またSNSの発展やTVで取り上げられることにより多くの方が足を運びます。
それゆえの混雑も決してゲストの満足度を高めるものではないでしょう。
そしてインスタグラムに代表されるようなSNS映えを狙うゲストやファストパス取得のための開園ダッシュ。
安心して遊べる安全なパークはもう二度と望めないのかもしれません。
しかし、それでもパークに出掛けたいと考えるものとしてはなんとかして改善を重ねていただき、また顧客満足度の上位常連となって復活してほしいと願うばかりです。
下記が参照先となるリリースのリンクになります。(及び画像引用先)
さて、昨日を持って2017年度が終了しました。経営結果はどうだったのでしょうか。
こちらも注目したいと思います。