株式会社オリエンタルランドが現在パーク内で働いている非正規雇用の社員を正規雇用の社員同様組合員にするという人事労務策を打ち出す事がわかりました。
日本経済新聞が伝えています。
人材確保に向けて様々な手段を講ずる姿勢が伺えます。
OLCが非正規雇用の社員2.2万人を組合員に、人材確保に向けて待遇改善をはかる
人材確保に向けて動き出しました。
オリエンタルランド、非正規2万人を組合員に 人手確保 https://t.co/MAGDWNIHko
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2017年3月14日
以下、引用です。(引用元は上のTwitter埋め込みにあるリンクです)
オリエンタルランドの労働組合は約2万人いる非正規従業員を4月1日付で組合員にする。
組合員は現在の約2900人から2万2000人程度に増える。対象はアルバイトやショーの出演者、嘱託社員などで全従業員の8割以上を占める。テーマパークで働く従業員の賃金や働き方の待遇改善を進め、人手不足に対応する。
~中略~
かつて人気だったテーマパークのアルバイトだが、現在では募集に苦労する施設も出ている。
オリエンタルランドは1月下旬に初めて大阪でアルバイトの採用面接会を開いた。
人手不足に対応するため、現在働く人への待遇改善も進めている。
2016年4月には約820人の契約社員を無期雇用の正社員に転換。
同時にアルバイトの時給の上限を1100円から1350円に引き上げた。契約社員・アルバイトの士気を高め、長く働いてもらう狙いだ。組合への加入もその一環だ。
全従業員の2割が正規雇用の社員だった。残り8割は非正規雇用。そしてストレスが掛かる場面は都度非正規雇用であるキャストが安い賃金で努力をし続けていたということになるのでしょう。
ショーに出演する演者も組合員にするようです。
オリエンタルランド・フレンドシップ・ソサエティ
株式会社オリエンタルランドの労働組合は「オリエンタルランド・フレンドシップ・ソサエティ」という名称です。
ホームページリンクは下記になります。
2017年2月にはホームページが開設されています。
そして、この組合のチェアマンはホームページの中でこう言っています。
OFSは株式会社オリエンタルランドに在籍する従業員の労働組合で、2017年2月24日で結成30周年を迎えます。
そのような節目のこの年に、準社員、出演者、嘱託社員の皆さんをメンバー(組合員)として迎え入れるための活動を行なっています。
これは東京ディズニーリゾートを中心とするオリエンタルランドの事業が永続的に成長・発展し続けていくためには、社会に受け入れられ、お客様に愛され続けること、そのために現場のフロントラインで働いているキャストの皆さんの声やゲストの声を今まで以上に会社に届けていくことが必要であると考えたからです。
この時点で既に経営陣と交渉していたということになります。
労組結成30年を節目に非正規雇用のキャストメンバーを"仲間"として迎え入れようという意向があったということになります。
組合員になって得する人・損する人
本当の意味で特をするのは経営陣です。
昨今待遇改善を訴えるべく、労働組合"なのはなユニオンが舞浜駅前でさかんにビラまきを行い、不当解雇や待遇改善を訴え続けてきました。
このビラまきを舞浜駅に降り立ったゲストに対して配布をするわけなので、経営陣としては決して好ましい状況ではなかったということになります。
ややもするとネット等でおもしろおかしく書かれてしまい、それが世間に流布したり、株価に影響を及ぼすとなると"マネジメント"という観点でステークホルダーからダメ出しをくらうはめになります。
ゲストも、一部のマニアを除けば労働組合のビラをほしいとは思わないでしょう。
勿論、今のキャストの厳しい労働環境を知る事は大事なことでしょう。
しかし、それはあくまでも楽屋裏の話しであり、表立って出てくる話しではありません。
一方キャストは賃上げ交渉等を組合員として行える機会が設けられてよかったのかもしれませんが、組合内部での立ち位置をどう確保するのか、そこはまた別の意味で組合内部での戦い、政治的な駆け引きは発生してくると思います。
すでにオリエンタルランドの組合に入ると不公平や差別に繋がるおそれのある情報がなのはなユニオンより発信されています。
本当の意味で自分たちの意向が反映されるまでには相応の時間がかかると思います。
そこに向けてなのはなユニオンも様々な手段を講じて待遇改善に向けて更なる邁進を続けるようにも思えます。
非正規雇用社員を内部に組み入れる事によって世間的の高評価を得たように思える株式会社オリエンタルランド、獅子身中の虫にならなければいいのですが。
最後に、筆者はあくまでもニュートラルな立場にあります。
ただ、現場で毎日努力をされているキャストの皆さんの待遇が良くなることを1人のファンとして願うばかりです。